特別商取引法について
○法改正目的・・・取引の特殊性に対応した有効なトラブル解決を図る観点から、契約締結及び契約解除の適正化等の処置を講じる。
○特定商取引法に該当する業者
役務サービスの提供を受ける者の目的を達成するために、一定期間、継続的に役務提供を受ける必要が有るものを指す。
基本的に1回の役務提供で完結し、継続的に役務提供を受ける必要が無い役務は該当しない。いわゆる結婚相手紹介サービスについては、2ヶ月を超えるものが対象。
○契約手順
[1] 契約締結前に十分な情報の提供(説明)が必要(パンフレット等)
契約の締結前には、当該契約の概要を記載した書面(概要書面)を渡さなくてはならない。
「概要書面」には以下の事項を記載することが定められている。
① 事業者の氏名(名称)、住所、電話番号、法人ならば代表者の氏名
② 役務の内容
③ 購入が必要な商品が有る場合にはその商品名、種類、数量
④ 役務の対価(権利の販売価格)そのほか支払わなければならない金銭の概算額
⑤ 上記の金銭の支払い時期、方法
⑥ 役務の提供期間
⑦ クーリング・オフに関する事項
⑧ 中途解約に関する事項
⑨ 割賦販売法に基づく抗弁権の接続に関する事項
⑩ 前受金の保全に関する事項
⑪ 特約が有る時には、その内容
※このうち、特にクーリング・オフ及び中途解約に関する事項を明確にする(関連商品を含む)
(1) クーリング・オフ
契約締結時の書面の交付から8日以内であれば無条件で解約できる。
受領した金銭全てを返金致する。
(2) クーリング・オフ期間経過後、役務提供前
・初期費用として3万円以内を徴収できる。
(解約違約金は徴収不可)
(3) 中途解約(クーリング・オフ期間経過後、役務提供開始後)
・「提供された役務の対価に相当する額」+「通常生じる損害の額(2万円若しくは残金の20%のいずれか低い額)」を解約違約金として徴収できる。
*提供役務の内容を明記する必要がある。
(4)契約書の中の「受け取った入会金、月会費はいかなる理由があろうとも一切お返しいたしません」という文言は無効。
[2]勧誘時の禁止行為
1.誇大な広告等を表示する行為
2.契約を締結するため、勧誘する時に、事実と違うことを告げる行為
3.契約を締結するため、勧誘する時に、故意に事実を告げない行為
4.契約を締結するため、または解除を妨げるため、威迫して困惑させる行為
5.消費者に一方的に不利な内容の特約を付けること。
6.契約解除に伴う損害賠償額の制限に反する特約を含む契約の締結行為
※これら行為で契約をすると、1から4は契約取り消しができ、また5と6に付いては、その条項は無効となります。
[3] 書類の閲覧・・業務及び財産の状況を記載した書類(2年分)の備置及び閲覧等に応じる義務がある。(貸借対照表・損益計算書)
[4](その他特定商取引法関係で契約書に記入する特記事項)
「会員が公序良俗に違反する行為、相談所の決める「除名」に該当の場合 また犯罪と思われる迷惑行為を起こした場合、同法による返金ではなしに独自の罰則規定に基づく返金計算が充当される」 但し契約書にその旨明記しておく事。
[5]行為規制(2017年改正)
① 書面不交付・・・・・
法人100万円以下の罰金、個人6ヶ月の懲役または100万円以下の罰金
② 検査忌避・・・・・
法人100万円以下の罰金、個人6ヶ月の懲役または100万円以下の罰金
③ 不実告知、事実不告知、威迫困惑行為、目的隠匿誘因勧誘・・・・・
法人1億円以下の罰金、個人3年以下の懲役または300万円以下の罰金
④ 業務停止命令違反・・
法人3億円以下の罰金、個人3年以下の懲役または300万円以下の罰金
⑤ 指示違反・・・
法人100万円以下の罰金、個人6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金
[6]行政処分
①業務停止命令
②業務禁止命令